プロフェッショナルとゼネラリストについて

プロフェッショナルがいいの?
ゼネラリストがいいの?

検査技師の間ではしばしば取り沙汰される問題について語ります。

私が聞く限りの講演や先輩技師の話では、検体検査も生理機能検査もというゼネラリストを求めている場合が多いように思います。

私は生理機能検査を主に担ってきたので生理機能検査の技師としての現場に生きた技師としての意見をここに綴ります。

私は検体検査も生理機能検査もできる技師というのは、本人がそうなりたいとしない限り難しく、また、容易に若手に求めるものでもないと思います。さらに、無理にそのような技師を育てようとすると、臨床の需要に対して十分な供給ができなくなると考えます。

分けるところは分けて考えて欲しい

まず検体検査と生理機能検査はわけて考えなければなりません。

検体検査のゼネラリスト、生理機能検査のゼネラリストなら話はわかります。

検体検査は究極のところ機械の扱い、検体の扱いがメインとなり、微生物・病理を除いて各診療科に対応する検査手技にほとんど大きな差がありません。

対して、生理機能検査は各診療科の出すオーダーによっても検査が異なります。

例えば一口にエコーといっても、腹部・心臓・血管は一緒くたにできません。

それらをマニュアル通りにとれば検査できるのかと言われればそうもいきません。

習熟に時間がかかります。習熟してからも誰かと相談しながら検査なんてできません。

生理機能検査のゼネラリストになろうとすると、これらのハードルを越えて行く必要があります。人によって適正もありましょう。数年どころで済む話でなくなってきます。

そこに神経の検査、呼吸機能検査も加えてみてください。覚えることが膨大になります。

検査の知識さえあれば、疾患の知識なんていらない、検査だけやっていればいいじゃないか?そんなことはありません。

疾患の知識があってはじめて、その患者さんに適した検査ができるのです。

マニュアル通りの検査なんて余程優秀な統括者がいない限り、ほとんど役に立ちません。山陰にはそんな技師を各病院が抱える人的資源も乏しいと感じます。

組織として考えると・・・

しかし、組織を運営するのに何でもできる人が必要とされるのはわかります。

その方が誰かが欠けても組織を持ち直せるのもわかります。

ただ、その負担を若手に押し付けているところも否めないと感じることもあります。

ベテラン世代にあと10年あってももうゴールした気でいらっしゃる方を目にしました。

幹部もベテラン世代。幹部が若手にゼネラリストを望んで部門移動をさせるなら、まずは手本としてベテラン世代がゼネラリストになる努力をしている姿をみせる必要があるのではないかと思います。

そうしてはじめて、ゼネラリストになるハードルを実感し、若手もついてくるのではないかと思います。

生理機能検査は特殊な検査

特に、生理機能検査は検査技師が積極的に行うようになったのは最近のこと。山陰は都会に比べて、このような検査の浸透も遅く携わったことがないベテラン技師が多い現実があります。そんな技師が幹部として若手に習得するように指示すると、やはり歪みが生まれてしまいます。

人的資源が少ないから、ゼネラリストが必要なのはわかりますが、それを目指したいと思える指導の仕方が問われています。

また生理機能検査と検査検査がお互いにお互いの業務内容を把握できていないことも問題です。

生理機能検査の技師は日当直で検体を扱うぶん、いつもと違う業務をするストレスを抱え、さらに日当直での事務的なミスを指摘されるという苦しさがあります。

そういう負の感情があるから、検体検査の技師が日頃いかに精度管理に苦心しているかを軽視してしまう面も否めません。

業務量増加により、お互いにコミュニケーションをとる余裕もないのが現実です。

結局は本人の努力が大きい

では、どうすればある程度の検査が一通り可能になるか。

本人の努力しかないと考えます。

どうすれば本人に努力してもらえるか、やはりキャリアプランを練ることのできる環境作りと報酬です。

やりがいと生活(お金)
山陰の検査技師の立ち位置は?

いくらやりがいとか言っても、今の日本はお金がないと生きていけません。

山陰の検査技師の報酬ははっきり言って、かなり低く見積もられています。

とある病院では非正規職員の給与は時給1000円でした。

国家資格を持った技術職、しかもエコーという診断に直結する業務が学生のアルバイト並の給与。

対して都会は、歩合制のエコーのアルバイトで1件3000円~4000円。

この差をみて驚きませんか?

これが今の山陰の検査技師の立ち位置です。

都会とは違うとはいえ、都会に劣る検査を我々は提供しているのでしょうか?

検査技師に信頼や価値を見いだしてもらえるような動きを山陰でして来なかったという面もあるかと思います。

これからAI化が進みます。検査技師はすでに検体検査の自動化というものを経験してきた職業であると思います。だからこそ、AIにいかに有益な情報を覚え込ませるかを検討し、病院の中でAIを上手く利用できる最先端の職種に検査技師がなれるのではないでしょうか?

山陰は田舎だから~という感覚もあるかと思います。

地方こそ!検査技師こそ!AIを!

AIの普及はスマホと同様に都会や田舎関係なく一気に広がってくるでしょう。

ここ10年のガラケーからスマホへの変遷をみれば、便利なものはやはり浸透力も強いです。

今を生きている検査技師も今後の事をしっかりとみすえたキャリアプランを練っていかなければ時代に取り残されてしまうのではないかと思います。

その一方で、AIと最も仲良くなれる技術職になる可能性も秘めていると信じています。

このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を書いた人=ハットラボ(ハットリ)

臨床検査技師、超音波検査士(消化器)、血管診療技師、認定認知症領域検査技師

ブログを3個運営しているブロガーでもある。

 

【note公開中】

ブログでは書いていないようなことも書いています。

是非チェックを!

【LINE公式アカウント】

ブログの最新記事作成情報などを配信します!

友達追加していただければ、検査で気になることなど相談に応じます!

友達追加をタップ!お願いします!