【遺伝する色覚異常】母、祖父への思い

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

色覚異常は遺伝する

色覚異常は性染色体(X,Y)のXを通じて子孫へと遺伝するものです。

女性はXを2本持っており、どちらかが正常ならば発現しないのですが、男性は1本しか持っていないため遺伝しやすいとされています。

両親が正常な色覚を持っていても、祖父が色覚異常であれば孫に異常が発現することがあります。

私は母方の祖父からの遺伝

私の場合は母方の祖父から遺伝しました。祖父の持っていた異常なXが母を通じて私に受け継がれたのです。

祖父も母も、私が最初に眼科医に「何にもなれない」と言われたとき、私以上に落胆し、責任を感じたようです。そのときのお話はこちら(【色覚異常】ってどういうこと?)参照。

きっと色覚異常の子をもつ親、祖父母はみんなそういう葛藤があることでしょう。

なかなか我が子にどう思っているか、聞けないところもあるでしょう。

他人の話になってしまいますが、ひとりの色覚異常者の思いをつづっておこうと思います。

私は色覚異常のことを恨んでいない

私はこどものころ色覚異常であることを漠然とうけとめて大学でも指導教官から心無い言葉をかけられました。

就職後もこの目が原因となっておきた私にとっての悲劇もあります。

しかし、今はなんとか手に職をつけ、生きていくことができています。

今だから恨んでないといえるのか、それは違います。

こどものころからまったく母親や色覚異常だった祖父のことを恨む気持ちはありませんでした。

それはなぜでしょうか?

きっと母も祖父も、私のことをしっかりとみてかわいがってくれたからでしょう。

母とのかかわり

母自身は色覚異常でないため、私がどのようにみえているか想像もできません。

でも母から「あなたは色覚異常だからちゃんとみえてないでしょう?」といった類の言葉は聞いたことがありません。

むしろ健常者と同じように扱って、ランドマークに緑色の屋根の~とか普通に言います。

そのときに私の方から「緑っていわれてもわからんよー」と言って別の表現に変えてもらっていました。

それを繰り返すうちに母も私がどの色が苦手なのかなんとなく把握するようになりました。

下手に気を遣って色の話題を避けられるより、普通に接してもらって私自身がわからないときにわからないと言うスタイルが私にはあっていたようです。

母の根底には【異常者】と扱うのではなく【ひとりの人間】として接するというのがあったのではないでしょうか?

だからコミュニケーションをわざわざとる方法を選んだのでしょう。

祖父の言葉

祖父はやはり私の高度な色覚異常に負い目を感じているようでした。

でも祖父に会うたびに「ひろくんはぜったい立派になる!」と言い、何か賞をとったり資格をとれば自分のことのように喜んでくれていました。

いつも私の前で笑顔でいてくれる優しい祖父という印象しかありません。

色覚のこと以上に祖父が好きという感情の方が大きく、まったく色覚のことで恨んだことはありません。

みえている世界を否定しない

本人には本人の世界がひろがっていて、そこで生きていくしかありません。

健常者が異常の世界を知らないように、異常者には健常な世界がわかりません。

まわりが気にしすぎて、異常者に無理に健常な世界を強制しようとはしないで欲しいと思います。

母は「これは茶色だけどあなたにとってはその色が緑なんだねー」くらいな感じで私の世界の否定はしませんでした。

この言葉、すごいと思いませんか?否定はせずに、私の緑は健常者の世界では茶色とよばれていることを端的に表しています。

かといって健常者の見え方に修正ができるかと言われるとできないものです。微妙な色の違いありますよね?

緑が深緑になったり、薄緑になったり。健常であれば同系統の色になるのでしょうが、私の場合は薄緑は黄色系統、深緑は茶色系統に混じってしまって、ちゃんと名前を言おうとしても脳がパニックになってしまいます。

それはもう仕方のないことです。

無理にみえいる世界を否定せず、そういうものだとまわりも一緒に受け止めてあげて欲しいと思います。

ゴッホも色覚異常だったかもしれない

有名な画家のゴッホも色覚異常だったかもしれないと聞いたことがあります。

色覚異常でも色を扱う画家になれたのです。

服部も臨床検査技師になれた

私も臨床検査技師になることができました。

私の場合は色を扱うのではなく、色を扱わない能力をのばした結果ですが。

しかし、実は私はカラーでイラストを描くことを趣味にしています。

いつかは自分のイラスト集とか作ってみたいと思いながらこつこつ描いて楽しんでいます。

ポジティブにとらえると!

Luisella Planeta LeoniによるPixabayからの画像

もしかすると、この色覚異常は私にとってプラスになることも多いのではないかと思います。

人と違う世界がみえるなんてかっこいいとオタクな自分は言います。

もしかしたら白黒が他の人よりよくみえていて、エコーで有利なのではないかと臨床検査技師の自分は言います。

誰にもまねできない色使いの絵が描けるのではないかとイラストを描く自分が言います。

捉え方によってはプラスの個性となり得るのではないかと思います。

私がそう思えたのは、母や祖父が私の色を否定しなかったこと。

眼科医や指導教官なんて私のことをよく知らない人に言われた悲しい言葉より、私をよく知る人の言葉があたたかければプラスにとらえられる、そう思います。

色覚異常だけが原因で親を恨んだりしない

色覚異常も個性のひとつ、そう思って親が接する限りそれで子が恨んだりしないと私は思います。

もし恨むとすれば、色覚異常を原因に家庭がぎくしゃくしたり、そのせいで親同士が喧嘩することが頻繁にあるときでしょう。

基本的には他人に気づかれない異常、それ故の苦労もありますが、それもメリットのひとつ。普通のこどもと同じように接しながら、色に関することで否定をしない、それで喧嘩しない、それだけでも本人にとっては生きやすいものです。

もし色覚異常者である私個人に質問があれば、メール、LINE、コメントなどで気軽にお問い合わせください。


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この記事を書いた人=ハットラボ(ハットリ)

臨床検査技師、超音波検査士(消化器)、血管診療技師、認定認知症領域検査技師

ブログを3個運営しているブロガーでもある。

 

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