学会の発表ってすごいものでないとだめなの?

hattolabo
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こんにちは。ハットラボです。

今回は学会での発表について思うところを語ります。

学会での発表はハードルが高くなりがち

私は学会での発表は、

「こんな症例があったよ!こんな検討をしたけど調べたところこういう事実があってこう判断するものでしたよ!」と言う学びを共有したり、

「こんな研究をしました!このような事実がわかって、こういう役に立ちます!」という報告であったり

を活発に行い、議論する場だと思っています。

決して発表の仕方の拙さやそんなことわかっとるなどと他者の発表を非難する場ではないのではないかと思っています。

しかし、現実としてそういう風潮を感じることが多々ありました。

質問に関しても変なこと聞いたらいけないという雰囲気が会場を占めておりなかなか若手が議論に参加できないと感じます。

そのような理由から、学会での発表は若手にとってハードルが高いものとなっているように感じます。

学会のハードル

良いハードルであれば、議論の末に発表者が新たな知見を得たり、こういうことを調べておく必要があったなと反省する機会になります。

次の発表ではもっと頑張ろうとやる気がでてくるものです。

しかし、悪いハードルだと議論というより糾弾、至らなさの吊し上げ、その程度で学会発表するとは学会の意義がわかっていないなどと言われてしまい意気消沈。もう発表なんてしたくないと思うことになります。

どんな発表が良い発表?悲しい発表は?

一番悲しい発表は何だと思いますか?先述のように糾弾されることでしょうか?

いいえ、実は一番悲しいのは

誰にも質問されない発表

です。

誰の印象に残ることもなくただしゃべって終わり。議論が深まることもない。

それはとても悲しいことです。

それは演者の発表に至らない点がある場合と、聴衆側の問題とあるかと思います。

演者の発表の問題

何を言いたいのかわからないような発表では聴衆も何も質問できません。

こういう発表に対して、座長がうまく問題を指摘し、次に活かせるようにしてくれるのが一番だと思います。

聴衆側の問題

質問をするということ自体をしない傾向にある職種もあります。

私の経験上、医師や看護師は比較的活発な議論をしている印象ですが、臨床検査技師はあまり質問をしない傾向にあると感じます。

質問しにくい空気というのもあると感じます。

変なことを聞いたらどうしよう?恥をかくのではないか?

学会はみんなで学ぶ場でもあるのだから恥なんてないはずですが、現実はそうもいかないようです。

私の経験

私も発表の中で会場を大きく炎上させたことがあります。

私のいる地方では数年に1度出会うか否かくらいの症例で、ガイドラインに載っていない超音波所見が有用であったことを発表しました。

するとその会場の重鎮ともいえる先生が一言

「何十年か前にタイムスリップしたかのような発表でした。」

と。

その後も術式がおかしい。ちゃんと執刀医とディスカッションをしたのか!ガイドラインじゃなくてあなたの意見はどうなんだ!

と色々と責められることになりました。

私が思ったこと

執刀医とディスカッションをしたのか!についてです。

どうしてその診断をするにあたって有用だった超音波の所見の発表で術式をつっこまれるのかとも思いましたが、それはそれで大事なことでした。

ただ、検査技師が発表する場合、医師との間には医師が感じているより大きな隔たりがあります。ガイドラインや文献と違っていた場合に、どうしてこの術式なんですか?なんて簡単に聞けません。

さらに私の当時勤務している市中病院では、手術は大学で行われてしまうことも多々あります。手術の様子は紹介状に載っている情報くらいです。

面識もない医師に突然連絡をとるわけにもいかず。自身の病院の主治医とディスカッションするのが精一杯な状況です。

それができないなら発表するな!という勢いで私はつっこまれましたが、実際、それだけハードルを上げて残るのは少数でほとんどの発表がなくなってしまうように感じました。

では私の発表は失敗だったのか?

私はこの炎上してしまった発表を大成功だと思っています。

たくさんの質問、たくさんの疑義がでたのです。

私の発表に対して興味を示してくれて、感情的になりながらも議論してくれた。

それだけでも発表して良かったと思えます。

先述したように一番悲しいのは誰からも質問されない、誰にも興味を持たれない発表です。

その点、炎上はその対極にあります。

学会のハードル(真)

実は良いハードルにするか悪いハードルにするかは私自身、あなた自身の考え方です。

糾弾された!もういや!となってしまうのも仕方ないでしょう。

しかし、「お?私の発表、そんなに聞いてくれたの?感謝!」と思えば全部良いハードルになります。

また、あなたには共同演者がいるはずです。学会発表はひとりではできません。誰かが支えてくれてはじめてできるのです。

私のときも恩師がいつもそばにいてくれました。炎上したときも恩師が助けてくれました。だからこそ私も大変だったけど振り返ると良い発表だったなと思えるのです。

私はどうして学会発表を勧めるの?

発表してみてはじめて身につく知識や見識があるのももちろんです。

さらに私が大事だと思うことがあります。

共同演者となってくれた方としっかり話して関係性を深める機会になること、発表することで新たな人間関係が構築されることです。

意外と人は他人をみているものです。

あぁ。あの発表してた人か。なんて思ってもらえて少しでもしゃべることができればそのつながりが後々思わないお互いの実りになることもあります。

私も地域の小さな発表会にちょこちょこと症例を提示していたおかげてつながれた縁があります。その縁がいまのフリーランスという働き方を可能にしました。

発表のハードル、気の持ちようではなんともならないことも多々あります。

研究だって大変だし、共同演者をみつけるのだって大変。

しかし、それを経験することはあなたの医療人としての人生の実りになるはずです。

ちょっとしたことの発表でも良いと私は思います。

ベテランにとって当然の症例でもビギナーな我々にはすごく知見のつまった症例なのです。それを共有することに意味があるのです。

このとき、ベテランは「そんなこと当然、私なら一発でわかる」と思うようではそこどまりです。どうしてこの発表をするに至ったか。自分たちには当然の所見がなぜ浸透していないのか。

自著の文献だけでなく、ガイドラインに載せる必要があるのではないかまで発想して欲しいししたいところです。

文献をあさればその所見がでてくるはつまり、文献をあさらないとでてこない程度の所見なのです。

ガイドラインや市販される参考書に載ってはじめて、当然の所見となるのです。

ビギナーでもベテランでもお互いに学会発表が良い循環になっていけばと私は思います。

この記事を書いた人=ハットラボ(ハットリ)

臨床検査技師、超音波検査士(消化器)、血管診療技師、認定認知症領域検査技師

ブログを3個運営しているブロガーでもある。

 

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